顔だと思ったら・・・歌川国芳の絵
この作品は、遠くから見ると人間の肖像画のように見える。しかし、絵に近づくと、作品から壮大なものが浮かび上がってきます。被写体は綿密に組み立てられた人体で構成され、人間の形を呈している。
豪快情熱で、江戸時代の浮世絵師、歌川国芳は一躍有名になった。国芳はだまし絵、影絵、合成図など、ユーモラスな風刺画や視覚的な仕掛けを考案する名人となった。そして、寄席絵の概念をさらに一歩推し進めた。国芳は、さまざまな姿勢の人物を使って、人の姿を作り上げる。緻密な配置で自然に顔の輪郭を作り、緋色のふんどしが歯茎に、広がった人物は鼻に見立てている。民衆の奇妙なアレンジと愉快なスタンスが、この作品をユニークなものにしている。